モルドバの数ある名産品の中で一番有名なものといえば、モルドバワインでしょう。
現在ではモルドバ全土に150以上のワイナリーが運営されており、モルドバではワイン産業が盛んに行われています。
首都のキシナウからワイナリー見学ツアーが催行されるほど、新たな観光産業としても注目されています。
そんなモルドバのワイン産業は古い歴史を持ち、たくさんの出来事を経て現在に至ります。
そこで本記事では、モルドバのワイン産業の歴史を振り返ろうと思います。
1古代(紀元前3000年頃〜1世紀頃)
モルドバのワインづくりの歴史は古く、ワイン作りが開始されたのは紀元前3000年頃と言われています。
ワイン作りは、現在のモルドバがあるモルドヴィア地方の先住民であるダキア人が始めました。
ローマ人がモルダヴィア地方を支配し始めた1世紀頃には、ローマ人の技術も加わり、更にワイン産業が発展することとなります。
このローマ時代に貴族の間でワインが親しまれるようになります。
2中世(15〜18世紀)
中世の頃になるとワインは貴族だけでなく、一般市民のお祝い事や儀式などの時に広く飲まれるようになりました。
15世紀のシュテファンチェルマーレが統治していた時代に、ワイン産業は最盛期を迎えます。「パハルニック」というワインを管理する役職まで設けられ、ブドウ畑の管理、収穫、ワイン製造、パーティーでの提供までの一連の工程を管理するようになりました。
18世紀のオスマン帝国支配時代はワイン産業は停滞期を迎えますが、家庭での醸造は継続して行われており、民衆の間では引き続き親しまれていました。
ロシア帝国支配時にはモルドバの土壌の良さに注目した政府が、フランスから技術者を招き、フランスの品種のブドウが多く栽培されるようになりました。
3近代(19〜20世紀)
1980年代にゴルバチョフ書記長が反アルコール運動の政策をとりました。この政策によりブドウ畑は燃やされ、ワイナリーに貯蔵している大量のワインが破棄されてしまいます。
モルドバのワイン産業は壊滅的なダメージを受けてしまいますが、1991年のソビエト連邦崩壊後は再びワイン造りが盛んに行われるようになります。その後は海外への輸出も増え、ヨーロッパで広く親しまれるようになりました。
また、最新技術が導入されるようになったり、ワイナリーが民営化されるなど産業としても発展してきました。
4現代
現在ではモルドバ国内には150以上のワイナリーがあり、ヨーロッパだけでなく北米や日本などの世界中に輸出されるようになりました。
また、クリコバやミレシティ・ミチなどのワイナリー見学も催行されており、ワイン産業はモルドバの新たな観光資源としても注目されています。
5まとめ

本記事ではモルドバワインの歴史について紹介させていただきました。
モルドバワインは歴史も古く、現在のように発展するまでに多くの出来事がありました。
モルドバワインの歴史を深く知り、ワイン産業の発展の過程を想いながらワインを楽しむのも良いかもしれません。