モルドバの名産品として一番に挙げられるのが、モルドバワインではないでしょうか。
モルドバワインは世界最古のワインと言われ、5000年前からワイン作りが行われていたと言われています。モルドバは面積が九州ほどしかないにも関わらず、年間のワイン生産量が世界第19位にランクインしています。
また、ギネスブックに載るほどの世界最大級のワインセラーのツアーがあるなど、ワインに関わる観光業も盛んです。
本記事ではモルドバにとって重要な産業である、モルドバワインについて詳しく解説していきます。
1モルドバでワイン産業が盛んな理由

モルドバのワイン産業が盛んな理由として、地形と気候がワイン作りに適しているということが挙げられます。
モルドバの国土の多くが、なだらかな丘陵地帯で構成されています。
このため日当たりも良く、黒海からの風を存分に浴びることができるため、フルーティーで芳醇な味わいのワインを作ります。
また、昼夜の気温差が大きく年間降水量が少ないという大陸性気候も、ブドウ栽培に適した環境です。
加えて、化学肥料の不要な肥沃な黒土の自然土壌に恵まれている点も、モルドバのワイン作りを活性化させた重要なポイントの一つでした。
2モルドバワインの特徴

モルドバワインの味は基本的にシンプルでクセがなくやさしい味わいが特徴です。
白ワインはフルーティーかつすっきりとしたほどよい酸味があります。
赤ワインはタンニン(渋み成分)がやわらかく、軽やかな口当たりのものが多いです。
冒頭でも述べたとおり、モルドバのワイン生産量は世界19位にランクインするほど商業的な生産が盛んに行われています。商業的な生産に加え、家庭でも自家製ワイン作りが盛んに行われています。モルドバでは、来客が来た際には自家製ワインを振る舞うといった独自のワイン文化も存在しています。
3モルドバワインの品種

モルドバで栽培されているブドウの品種は、国際品種(外国の品種)が7割、土着品種が3割です。
ブドウの比率は白ブドウが7割、赤ブドウが3割で、白ワインが多く生産されています。
ここではモルドバで栽培されているブドウの固有品種を5つ紹介します。
・ララ・ネアグラ(Rara Neagra)
・フェテアスカ・アルバ(Feteasca Abla)
・フェテアスカ・レガーラ(Feteasca Regala)
・ヴィオリカ(Viorica)
・フェテアスカ・ネアグラ(Feteasca Neagra)
ララ・ネアグラ(Rara Neagra)
日本語では「黒い貴婦人」と訳され、モルドバ固有品種の中でも最も古いとされています。
カカオやプラムなどの赤系果実の香りが特徴です。
酸味が強く、ボルドー系品種とブレンドされることが多いです。
フェテアスカ・アルバ(Feteasca Abla)
日本語では「白い乙女」と訳されます。
数ある白ブドウの中でも、最古の品種と言われています。
このブドウで造られたワインは中辛口や辛口が多いですが、フルーティーで軽やかな味わいも含まれるのが特徴です。
また、遅摘みのものでは辛口だけでなく、長期保存に適した甘口のワインを造ることもあります。
フェテアスカ・レガーラ(Feteasca Regala)
日本語では「高貴な乙女」と訳されます。
アカシアや果実のフルーティーな香りが特徴のアロマティック系品種です。
実はフェテアスカ・アルバに比べてややしっかりとした形状をしています。
ミネラルと酸が多く含まれています。
ヴィオリカ(Viorica)
1960年代に生まれたモルドバ原産の白ブドウの品種で、モルドバの寒い気候に耐えることができるように開発されました。
フルーティーで柔らかな酸味が特徴です。
フェテアスカ・ネアグラ(Feteasca Neagra)
日本語では「黒い乙女」と訳されます。
2000年以上の歴史があるといわれている品種で、まろやかで口当たりが良いのが特徴です。
ブドウの色は華やかな深いガーネット色、プルーンのような香りで芳醇な果実味とタンニンが豊富に含まれています。
樽との相性が良いため、長期保存にも適しています。
4まとめ

本記事では、モルドバの代表的な名産品である、モルドバワインについて紹介させていただきました。
モルドバは地形や気候に恵まれ、良質なブドウが栽培できる環境にあります。
そのため毎年良質なワインが生産されています。
モルドバに行った際はぜひモルドバワインを楽しんでみてください。