モルドバの春の行事の一つに、パンケーキ週間(Maslenitsa)があります。
パンケーキ週間はモルドバだけでなく、ロシアやウクライナなどの旧ソ連の国でも広く祝われています。
本記事では、モルドバのパンケーキ週間(Maslenitsa)について詳しく解説します。
目次
1パンケーキ週間(Maslenitsa)とは?

パンケーキ週間(Maslenitsa)とは、人々が冬に別れを告げ、春の訪れを祝う期間として広く知られています。
パンケーキ週間は、イースターの56日前から始まり、2022年は2月28日から3月6日まで続きます。
この期間内には、家や学校ではパンケーキやベーグルを食べてお祝いします。
モルドバの首都のキシナウでも、街の中心部にある中央公園や広場では、パンケーキ週間のイベントが催されています。
2パンケーキ週間(Maslenitsa)の起源

ロシア正教では、四旬節には肉類はもちろん小麦や卵、バターなども食べられなくなります。そのため、四旬節が始まる前の週に小麦や卵、バターを使用したパンケーキがよく食べられるようになりました。
この習慣から、四旬節の前週はパンケーキ週間と呼ばれるようになりました。また、地域によっては、「チーズフェア」や「クレープ週間」と呼ばれることもあります。
パンケーキ週間は、もともとロシア正教の伝統的な行事で、ロシア(旧ソ連)の習慣でした。そして、モルドバが旧ソ連に統治されていた時に、モルドバにもパンケーキ週間が浸透し、現在もモルドバの人気行事となっています。
では、なぜ旧ソ連から独立したにもかかわらず、今でもモルドバにこの伝統が残っているのでしょうか。
それは、モルドバ人が旧ソ連に統治されていた時代であっても、自分たちの歴史の一部を残すことは素晴らしいことだと考えているからです。
さらに、パンケーキ週間は四旬節の準備期間と重なるため、パンケーキ週間も同時に盛んに行われるようになりました。
3モルドバのパンケーキ週間(Maslenitsa)の伝統

モルドバでは旧ソ連に統治される前から、冬に別れを告げ、春を迎えるための独自の習慣がありました。
モルドバでは、パンケーキ週間の最後の日である日曜日に、人形を作って地面に埋めたり燃やす習慣があります。
モルドバでは、パンケーキ週間の日曜日に、人形を土に埋めて周りを踏み固めると、すべての悪いこと、苦労、悩みがなくなると信じられています。そして、人形を埋める儀式の最後に「Ciuleandra」という伝統舞踊を踊ります。
また、地域によっては、日曜日に人形を燃やす習慣もあります。
パンケーキ週間の最後に「Ciuleandra」を踊るのは、現在でも、モルドバのほぼ全ての都市や村で行われる伝統の一つとなっています。
4パンケーキ週間(Maslenitsa)を楽しもう!

モルドバには春の訪れを祝う、パンケーキ週間(Maslenitsa)というものがあります。パンケーキ週間はもともと旧ソ連から伝わった習慣でしたが、今なおモルドバでも親しまれています。
パンケーキ週間の期間内には、首都のキシナウの公園や広場で、様々なイベントが開催されています。、
2月末から3月にかけてモルドバを訪問する際は、ぜひパンケーキ週間のお祭りにも参加してみてください。