モルドバの6月の祝日の一つに、シンジエニ(Sinzienele)があります。
シンジエニは日本で言えば夏至にあたる日で、各地でシンジエニを祝う祭りが催されています。
本記事では、モルドバのシンジエニを紹介します。
目次
1シンジエニ(Sinzienele)とは?
シンジエニ(Sinzienele)は6月24日に迎える夏至にあたる日で、各地で夏至を祝うお祭りが開催されます。
シンジエニの夜には、畑の妖精が地上に現れ、畑に特別な力を与えたり、人々の病気を治してくれると信じられています。
祝日の呼び名に付けられている「シンジエニ」ですが、実は野草の名前から付けられています。
シンジエニは細長い葉を持ち、黄色や白の花を咲かせ、心地よい香りを放つ草本状の野草です。草原、果樹園、森林、道端など人々の身近なところに生息しているので、薬草として民間療法に広く利用されています。
そして、夏至の頃に開花し民間療法に利用されることから、夏至の呼び名に「シンジエニ」が付けられたと言われています。
2モルドバのシンジエニ(Sinzienele)の祝い方
シンジエニはモルドバの重要な暦であるため、神への崇拝や呪術的な行事が数多く行われます。
この日の夜明けには、邪悪な力から人々を守るために、ジュニパーの花、小麦の穂軸で編んだリースを窓辺に飾ります。
少女たちは、恋人の夢を見るために、シンジエニの夜にベッドの下にこの花を置くのです。
また、シンジエニの日の夜明けには、女の子は露で体を洗えば、健康で美しくなると言われています。
モルドバの主婦たちは、シンジエニの日をとても楽しみにしています。
なぜなら、シンジエニは一年で最も日差しが強い日なので、洗濯物がよく乾くからです。
そのため、この日は洗濯物だけでなく、毛織物をすべて外に出して干します。
この理由からモルドバではシンジエニが「乾燥の日」と呼ばれることもあります。
3シンジエニ(Sinzienele)前日に祝われるドラガイカ
ドラガイカ(Drăgaica)は農耕民族に由来する儀式で、作物(特に穀物)の繁栄と保護を目的として夏至の前日に行われます。
ドラガイカの儀式では5〜10人の少女たちによって伝統的な踊りが踊られ、そのうちの一人がドラガイカとして選ばれます。
ドラガイカとして選ばれた少女は、花嫁姿の彼女は麦の穂で飾られ、他の少女たちはドラガイカの従者として伝統的な衣装に身を包んで、手には大鎌を持ちます。
そしてドラガイカと従者たちは、村を抜け出し、野原を駆け抜けていきます。
十字路では、彼女たちは輪になって座り、歌いながら、十字架を描くような動きのジャンプダンスを披露します。
46月24日はシンジエニを祝おう!
シンジエニ(Sinzienele)はモルドバの祝日の一つで、日本で言えば夏至にあたる日です。
シンジエニに関しては様々な言い伝えがあり、毎年6月24日頃には人々の健康や豊作を祈願したお祭りや儀式が行なわれています。
6月下旬にモルドバへ訪れた際は、モルドバ特有の行事であるシンジエニの雰囲気を味わえるかもしれませんね。