モルドバ全土には、約100もの教会が点在しています。その中でも、クルチ修道院はモルドバで最も大きくて美しい修道院として知られています。
現在は美しい姿を見せるクルチ修道院ですが、戦争や宗教弾圧の影響を大きく受け、激動の歴史を歩んできました。
本記事では、クルチ修道院について詳しく紹介します。また、クルチ修道院へのアクセスや観光のポイントも併せて紹介するので、ぜひモルドバ観光の参考にしてみてください。
1クルチ修道院とは?
クルチ修道院は、18世紀に建設された修道院です。バロック風の建築様式とモルドバの伝統の建築様式を合わせた建築スタイルで建築されています。
ウクライナの首都キエフにある聖アンドレイ教会から、インスピレーションを得てデザインされたとも言われています。
中央のドームの高さは57メートルもあり、モルドバの教会の中では最大級の高さです。周囲は自然に囲まれていて、鮮やかな外壁が映えています。
2クルチ修道院の歴史
第二次世界大戦では、モルドバも大きな被害を受けました。そしてその戦火は、クルチ修道院にも及ぶことになります。多くの美術品に加え、4つある鐘楼のうちの2つが焼失してしまったのです。
第二次世界大戦後は、モルドバは旧ソ連に統治されるようになります。その旧ソ連統治時代に、約40年にわたってモルドバは厳しい宗教弾圧を受けました。
1959年に始まった旧ソ連の政策によって信仰が禁じられ、クルチ修道院も修道院の機能を停止せざるをえなくなりました。この宗教弾圧の関係で、1959年以降のクルチ修道院は精神病院として利用されるようになったのです。
1991年の旧ソ連の崩壊に伴い、1990年代前半に再び修道院の役割を果たすようになります。そして、2005年に大々的な修復が施されて、現在の美しい姿になりました。
モルドバにある修道院にはクルチ修道院と同じように、旧ソ連の宗教弾圧によって修道院以外の目的で使用されていた修道院も多かったようです。
戦火や旧ソ連の宗教弾圧に耐え抜いてきたクルチ修道院は、今なおモルドバの「復興」と「信仰」のシンボルとして親しまれています。
3クルチ修道院のアクセスと観光のポイント
クルチ修道院は、キシナウ市内から車で2時間の距離にあります。公共交通機関も少ないので、タクシーを利用するかキシナウ市内からツアーを利用するのが一般的です。
また、オルヘイヴェッキの岩窟修道院も近くにあるので、キシナウ市内から併せて日帰り観光するのもおすすめです。
4キシナウから日帰りでクルチ修道院へ行こう!
本記事では、クルチ修道院について紹介させていただきました。
クルチ修道院は第二次世界大戦や旧ソ連の宗教弾圧に耐え抜いて、現在の美しい姿があります。そのため、モルドバ人からは「復興」と「信仰」のシンボルとして親しまれています。
首都キシナウから日帰り観光できるので、モルドバに行った際はぜひクルチ修道院へ足を運んでみてください。