世界の街には、魅力的な通りがたくさんあります。
その魅力的な通りを、ただ雰囲気を楽しみながら歩くのが旅の楽しみになっている人もいるのではないでしょうか。
モルドバの首都キシナウにも魅力的な通りがいくつかあり、街歩きが楽しめます。
その中でもアレクサンダー・ディオールディーツァ通りは、モルドバ唯一の歩行者専用道路として有名です。
そこで本記事では、アレクサンダー・ディオールディーツァ通りについて紹介します。
1アレクサンダー・ディオールディーツァ通りとは
アレクサンダー・ディオールディーツァ通りは、カテドラル公園からコスモナウト通りまで延びる小規模な通りです。
この通りは全長が短く、通りの一方の端に立つと、もう一方の端が見えるほどです。
小規模な通りではありますが、現在はキシナウで唯一の歩行者専用道路となっています。
実は最近までキシナウには、歩行者専用道路はありませんでした。
しかし、2013年にキシナウの都市計画の一環で歩行者専用道路を作ることになり、アレクサンダー・ディオールディーツァ通りが誕生しました。
現在では、住宅、銀行、図書館、バー、カフェ、レストラン、パティスリーなどが軒を連ねています。
歩行者専用道路なので、車が進入してこないため、閑静な雰囲気に包まれています。
アレクサンダー・ディオールディーツァ通りに足を運べば、キシナウにいながらのんびりした雰囲気に浸ることも可能です。
また、アレクサンダー・ディオールディーツァ通りは誕生して以来、恋人とのデート、誕生日祝い、強い友情、家族団欒、そしてロマンチックなプロポーズなど、キシナウ市民の人生の節目を見守ってきました。
特にプロポーズの人気スポットになったからか「恋人たちのモニュメント」が設置されました。
この「恋人たちのモニュメント」に触れると、幸運と愛の成功がもたらされると言われています。
このように、市民に愛されるアレクサンダー・ディオールディーツァ通りですが、問題も抱えています。
それは、マナーの悪いドライバーがアレクサンダー・ディオールディーツァ通りを駐車場と見なしていることです。
素敵な景観を楽しめる通りなのに、車が一台止まっているだけで台無しですよね。
アレクサンダー・ディオールディーツァ通りの景観を維持することは、地元の人々の姿勢にもかかっていると言えるでしょう。
2アレクサンダー・ディオールディーツァ通りの名前の由来
アレクサンダーディオールディーツァ通りに含まれている「アレクサンダー・ディオールディーツァ」は、モルドバの偉人の名前から取っています。
アレクサンダー・ディオールディーツァとはどんな人物なのでしょうか。
アレクサンダー・ディオールディーツァは、モルドバの農家で生まれ、元々は小学校の教師をしていました。
その後、レニングラード金融アカデミーに入学し、卒業後は出世街道をひた走ることになります。
金融を学んだアレクサンダー・ディオールディーツァは、アカデミー卒業後にモルダビア・ソビエト連邦の大蔵大臣と閣僚会議議長を歴任しました。
そして、ソビエト連邦国家物価委員会の第一副委員長の座で、彼の輝かしいキャリアは幕を閉じることになります。
このようにアレクサンダー・ディオールディーツァは、旧ソ連の要職を努めた人物として、モルドバでは非常に有名です。
そのため、彼の輝かしい功績を称えて「アレクサンダー・ディオールディーツァ」の名前が通り名に採用されたのです。
現在は、一般的にアレクサンダー・ディオールディーツァ通りと呼ばれていますが、モルドバの偉大な音楽作曲家であるエフゲニー・ドガの名前を取って「エフゲニー・ドガ通り」と呼ばれることもあります。
地元の人にこの通りについて尋ねるときは、念のため2種類の名前を挙げておくと良いでしょう。
3アレクサンダー・ディオールディーツァ通りを歩こう
アレクサンダー・ディオールディーツァ通りは、キシナウで唯一の歩行者専用道路であり、キシナウ市民に親しまれています。
全長が短い通りではありますが、カフェやレストランが軒を連ねているので、週末になるとカップルや家族連れで賑わっています。
カップルや家族連れで賑わっていながらも、アレクサンダー・ディオールディーツァ通りは車も通行していないため、のんびりした雰囲気に包まれています。
都会の喧騒から離れたくなった時は、ぜひアレクサンダー・ディオールディーツァ通りへ足を運んでみてはいかがでしょうか。