モルドバには、手つかずの自然を楽しめるエリアがたくさんあります。その中でもモルドバ北部のツイポヴァは、美しい景観が堪能できることで有名です。
本記事ではツイポヴァの滝と、周辺で発見された古代遺跡について紹介します。
目次
1ツイポヴァの滝は周辺にも見どころが多い
モルドバ北部のツイポヴァには、数々の美しい渓谷や魅力的な滝があります。
その中でも、特に美しいのがツイポヴァの滝です。ツイポヴァの滝は人里離れた奥地にあり、まさに秘境と言える場所です。
しかし、ツイポヴァの滝は最も到達が困難な滝と言われており、道中の危険さから「死の滝」と呼ばれることもあります。到達が困難ではありますが、この美しい滝を一目見るために、毎年多くの観光客がツイポヴァの滝を目指しています。
他にも、ツイポヴァには珍しい岩窟修道院などもありますが、特に魅力的なのがツイポヴァ・ホロディシュテ渓谷です。この渓谷も絶景が見渡せる魅力的な渓谷ではありますが、奥地にあるため到達するのが困難です。しかし、到達が困難な分、到達したときに見える景色は素晴らしいものでしょう。
ツイポヴァは美しい景観や古くから伝わる数々の伝説のおかげで、モルドバの中でもユニークな地域として知られています。そのため、近年では作家や登山家、地元のガイドの情報発信によって、ツイポヴァの自然について多くの情報が得られるようになってきました。
2ツイポヴァの滝は一年中美しい姿が見られる
ツイポヴァの滝へのトレッキングは、季節を選ばず美しい景色を堪能できます。
ツイポヴァの滝の周辺は、春から夏にかけては緑が生い茂り、秋には木の葉が紅く色付いた紅葉が楽しめます。そして、冬には滝が凍り、神秘的な姿を見ることができます。トレッキングの上級者は、冬に訪れてみるのもおすすめです。
3ツイポヴァの滝周辺には古代の住居跡も
ツイポヴァの滝は美しさだけでなく、ある別のものでも注目を集めています。
歴史学博士のロミオ・セマルタン(Romeo Cemârtan)氏がモルドバ国立民族学・自然史博物館のScientific Bulletinに掲載した記事によると、ツイポヴァの最大かつ最もアクセスしにくい滝の周辺に、古代の人間の居住地の痕跡が残っていると述べています。
「ツイポヴァの滝はモルドバの中で最も人里離れた場所にあり、アクセスが最も困難な滝であるため、観光地図に掲載されていないのも不思議ではありません。勇気のある観光客だけがこの場所を訪れることができるのです」とロミオ・セマルタン(Roma Cemârtan)は言います。
また、「ツイポヴァの滝をよく調べてみると、滝を形成する流れの上層部が3方向に人工的に整備されている跡を発見しました。現在では、3つのうちの2つの川しか水が流ておらず、残り1つの川は乾いています。しかし、人工的に整備した痕跡ははっきりと見て取れます。古代には3つすべての川に水が供給されていたが、地形の変化などにより、現在では2つの川だけが残っているのではないか」とも述べています。
滝壺に向かって急斜面を下ると、滝壺の近くにテラスを支える石がいくつも配置されていることに驚かされます。これらはかつて滝の周辺に、人が住んでいたことを裏付けるものです。
滝の高さは8~10mで、2つの水流が滝壺に流れ込む様子が見られます。滝の北側では、岩が屋根付きの回廊を形成しており、そこには小屋のような居住空間があったと推測できます。
4ツイポヴァの滝へのアクセスは注意が必要!
アクセスが危険なため「死の滝」とも呼ばれる、ツイポヴァの滝。しかし、残念なことに、観光客はこの自然保護区を訪れることの危険性については知らない人が多いです。
過酷な自然環境だけでなく、ツイポヴァの滝に向かう道中には、毒蛇や危険な昆虫が多数生息しています。また、崖崩れや雪崩も頻繁に発生しています。
これらの危険さから、ツイポヴァの滝を訪れることはエクストリームスポーツに似ていると言われています。
もしツイポヴァの滝を訪れる際は、しっかりとした安全策をとることが必要になります。
5ツイポヴァの滝は魅力的な場所!行く際はガイドと同行で!
本記事では、モルドバの「ツイポヴァの滝」について紹介させていただきました。ツイポヴァの滝があるツイポヴァ・ホロディシュテ峡谷には美しい滝だけではなく、古代の遺跡も見ることができます。
魅力的なエリアであるため、毎年多くの観光客がツイポヴァの滝を目指しています。
しかし、ツイポヴァの滝の道中は危険がたくさんあり、命を落とす可能性もあります。もしツイポヴァの滝へ行く際は事前に情報収集をしっかり行い、現地に詳しいガイドに同行してもらうのが望ましいです。
安全対策を万全にして、ぜひモルドバの素晴らしい自然を満喫しましょう。